水路沿いにある土地は、通常の土地より安く売りに出されていることが多く、お買い得な印象があります。
しかし、水路が近くにある土地は、他の土地にはない特有の性質があるため、慎重に購入することが大切です。
水路が近くにある土地のメリットやデメリット、また、水路沿いの土地に家を建てる際に考慮すべき、法的な注意点をご紹介します。
目次
水路沿いの土地は、日当たりや風通しが良く、湿気が多い
水路沿いや、水路が近くにある土地には、様様な特有の性質があるため、慎重に購入することが大切です。
以下に、水路沿いの土地のメリットやデメリットをご紹介します。
水路沿いの土地のメリット
水路沿いの土地は、水路に面しているだけに、側に建物がなく、風通しや日当たりが良いというメリットがあります。
風通しが良ければ夏に涼しく、日当たりが良ければ冬に暖かく、光熱費を節約することが可能です。
また、水路沿いの土地は、側に建物がないだけに、隣人の目をさほど気にせず暮らせるというメリットもあります。
都市部で家を建てると、すぐ側に隣家があり、隣人の目が気になりますが、水路沿いの土地は水路があるだけに、隣家も遠くなるというわけです。
水路沿いの土地のデメリット
水路沿いの土地は、側で水が流れているだけに、湿気を帯びやすいというデメリットがあります。
湿気がある土地は、洗濯物が乾きにくいため、梅雨時などは苦労するかもしれません。
また、水路沿いの土地は、一般的な土地より地盤が弱いことが多く、家を建てる際は、大きな杭を打ち込みつつ基礎を作るなど、高額な費用を要する大規模な工事が必要になる可能性があります。
さらに、ゲリラ豪雨などで水路が溢れた場合は、土地が浸水する可能性があるため、水路沿いの土地を購入する際は、細心の注意が必要です。
水路沿いの土地に家を建てる際は、接道義務に注意
都市計画区域内(市街地)に家を建てる際は、建築基準法により、その土地が幅員4m以上の道路に2m以上接道している必要があります。
そして、土地が水路沿いに位置し、水路を挟みつつ道路に接している場合は、接道していると見なされず、そのままでは、家を建てることができません。
そのため、都市計画区域内に位置する水路沿いの土地に家を建てる際は、以下のような処置を施しつつ、接道させながら家を建てる必要があるため、注意してください。
水路に蓋をしつつ、土地を接道させる
土地と前面道路の間に水路がある場合は、水路に蓋をしつつ、人や車などが通れるように処置を施し、土地を接道させ、家を建てる必要があります。
しかし、水路は公共物であるため、勝手に蓋をすることができません。
よって、水路に蓋をする場合は、役所に水路占用許可申請を行う必要があります。
なお、蓋の設置費用は、土地の所有者が負担するのが一般的です。
水路に橋を掛けつつ、土地を接道させる
水路の幅が広く、蓋ができない場合は、水路に橋を掛けつつ、人や車などが通れるように処置を施し、土地を接道させ、家を建てる必要があります。
水路に橋を掛ける際も、蓋をするときと同じく、水路占用許可申請を行う必要があり、さらに、橋を架ける費用は、蓋と同じく、土地の所有者が負担することになるため、注意が必要です。
なお、橋を架ける費用は、水路の幅にもよりますが、安くても数十万円程度、高額になると、数百万円程度の費用が掛かります。
水路沿いの土地を購入する際は、利点や欠点を考慮することが大切
水路沿いや、水路の近くにある土地を購入するメリットやデメリットなどをご紹介しました。
水路沿いの土地は、他の土地より安く、風通しや日当たりが良いというメリットがありつつも、水路により接道していない場合は、橋を掛けるなどして接道させなければ、家を建てることができないため、注意が必要です。
そのため、水路沿いの土地は、メリットやデメリットを天秤に掛け、よく考慮してから購入してください。
ご紹介した情報が、皆様のお役に立てば幸いです。