「こんなはずじゃなかった!」と嘆く方が多いのが、土地の購入です。
土地の売買契約や、引き渡し後に起きやすいトラブルの事例と、その予防法をご紹介します。
目次
土地の売買契約で起きやすいトラブル
土地を購入する際は、売り主との売買契約の締結が欠かせません。
不動産業者を仲介しつつ、売り主と売買契約を結ぶ際に起きやすいトラブルと、その予防策をご紹介しましょう。
契約書や重要事項説明書を把握せず、署名捺印をする
土地を購入する際は、売買契約書や、重要事項説明書(瑕疵を含めた、土地の詳細が記載されている書面)への署名捺印が欠かせません。
そして、それらの内容を把握しないまま署名捺印し、土地代金を支払いつつ引き渡しを受け、その後に問題が起こるというトラブルが度々発生します。
例えば、売買契約書には、土地に不備があっても、売り主や不動産業者が責任を負わないことを謳う、「瑕疵担保責任を一切負わない特約」などが設けられていることがあります。
これを把握しないまま、売買契約書に署名捺印しつつ土地を購入すると、引き渡し後に重大な瑕疵に気付いても、賠償を受けられません。
このようなトラブルを防ぐためには、売買契約を結ぶ数日前に、不動産業者から売買契約書や重要事項説明書を入手し、熟読しつつ、内容を把握しておくことが有効です。
売買契約の解除を申し出ると、手付金を没収された
ローンを利用しつつ土地を購入する際に、融資が受けられず、売買契約が破棄され、手付金を没収されるというトラブルがあります。
土地を購入する際は、売り主との売買契約が欠かせませんが、ローンを利用する場合は、買い主に手付金を支払いつつ売買契約を結び、その売買契約書を以て、金融機関にローンを申し込むのが一般的です。
融資を受けることができれば、売り主に残金を支払い、土地が引き渡されますが、審査が通らない場合は、売買契約は破棄されます。
このような形で売買契約が破棄されると、先に支払った手付金は、残念ながら戻ってきません。
手付金は、土地代金の10%など、高額になることが多いため、買い主にとって手痛い出費となります。
このトラブルは、手付金を支払いつつ売買契約を結ぶ前に、金融機関に融資の条件を慎重に確認することにより、未然に防ぐことが可能です。
土地の引き渡し後に起きやすいトラブル
土地が引き渡された後は、建物を建てることが一般的ですが、上手く家が建たないなど、様々なトラブルが発生します。
以下に、土地の引き渡し後に起きやすいトラブルと、その予防策をご紹介しましょう。
境界線が異なる
土地の引き渡し後に、事前に聞いていた境界線と、現状が異なるというトラブルがあります。
例えば、境界線が思っていたより手前であったり、境界杭(境界を明確にする杭)がないなどで、境界が明確でない場合は、理想の家を建てることができません。
このトラブルを防ぐためには、土地を購入する売買契約を締結する前に、不動産業者、売り主、買い主、土地の隣人を交えつつ現場を確認し、境界を明確にしつつ、筆界確認書(境界を明確にしたことを証明する書類)を作成することが有効です。
家を建てようとすると「ガラ(建築廃棄物)」が出てきた
土地を購入して、家を建てようとすると、ガラが出てくるというトラブルがあります。
ガラとは、建物を解体した際に出る建築廃棄物(木材やコンクリートの破片など)を表し、ガラが多く埋まっている土地は地盤がゆるく、良い家が建ちません。
これは、建物があり、それを解体した土地を購入した際に起きやすいトラブルで、ガラの撤去には、数十万円から百数十万円など、高額な費用が必要です。
土地の売買契約書により、撤去費用の負担者が決められている場合は、その者が負担しますが、取り決めがない場合は、買い主が費用を負担することになり、厄介なトラブルになります。
このトラブルは、土地の売買契約を締結する前に、土地の様子を細かく観察したり、売買契約書に、撤去費用の負担者を記載しておくことで、防ぐことが可能です。
トラブルを避け、良い土地を気分良く購入しましょう
土地を購入する際に起きやすいトラブルと、その予防策をご紹介しました。
土地を購入した後は、家を建てつつ、生涯そこに住むことが一般的で、気持ちよく土地を購入すれば、気分良く住み続けることができます。
そのため、土地を購入する際は、細心の注意を払いつつトラブルを避け、スッキリと買うことが大切です。