土地は高額なため、購入する際は、つなぎ融資などで借り入れしたり、親族から資金援助を受けるのが一般的です。
資金援助を受けつつ土地を購入しようとする方へ向けて、贈与税についてご紹介します。
目次
住宅取得等資金の贈与税の非課税制度で、税金は安くできる
土地を購入するために援助を受けた場合に課税される贈与税は、その土地の使用目的などにより異なり、具体的には、以下のとおりとなっています。
住居を建てるために、土地を購入した場合
平成27年1月1日から平成33年12月31日までの間に、自らの住居を建てる土地を購入するために、直系尊属(父母や祖父母など)から贈与を受けた場合は、「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」が適用され、一定額までの贈与が非課税となります。
具体的には、省エネ住宅を建てる場合は最高3,000万円、通常の住宅を建てる場合は最高2,500万円までなどの贈与が非課税になり、国税庁のホームページ内に設けられている「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm)」にて、制度の詳細を確認できます。
ただし、この制度を適用させるためには、贈与を受けた年の翌年12月31日までに、購入した土地に家を建て、なおかつ、居住している必要があるため、注意してください。
ただ単に土地を購入する場合
自らの住居を建てるためではなく、ただ単に土地を購入するために、援助を受けた場合は、一部例外を除き、贈与税は通常通り課税されます。
ただし、贈与税には、110万円の基礎控除が設けられているため、1年間に110万円以下の贈与を受けつつ土地を購入した場合は、贈与税は課税されません。
夫婦間贈与の場合は、土地の持ち分を分配すれば、贈与税は不要
自らの住居を建てることを目的に、援助を受けつつ土地を購入した場合は、条件を満たすことにより「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」が適用され、贈与税が安くなります。
ただし、この制度は、直系尊属からの贈与に限り適用され、妻から援助を受けつつ、夫が土地を購入した場合など、夫婦間贈与には適用されません。
夫婦間贈与を行いつつ土地を購入し、夫、または、妻のみの土地として登記を行うと、贈与により土地を購入したと見なされ、贈与税が課税されます。
そのため、夫婦間贈与を行いつつ、土地を購入する場合は、資金援助を行った額に応じて、夫と妻で持ち分を分配しつつ登記するのがお勧めです。
そうすれば、それぞれが土地を購入したと見なされ、贈与税は課税されません。
ただし、この場合は、夫と妻の土地の持ち分に応じて、夫婦ともども不動産取得税や固定資産税が課税されるため、注意してください。
なお、夫婦間贈与を行いつつ、居住用の家屋を購入した場合は、「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4452.htm)」が適用され、条件を満たせば、最高2,110万円までの贈与に対して控除が認められます。
税に関することは、税理士に聞くことが大切
資金援助を受けつつ土地を購入した場合に課税される、贈与税についてご紹介しました。
まとめると、直系直属から贈与を受けつつ、自らが居住する家を建てるために、土地を購入した場合は、一定の条件を満たせば、贈与税は課税されません。
また、夫婦間で贈与を行いつつ土地を購入した場合は、それぞれの持ち分に応じて、分配しつつ登記すれば、同じく贈与税は課税されません。
なお、土地を購入する際は、一般的に不動産業者を仲介させるため、不動産の税に関することも、不動産業者に問い合わせがちです。
しかし、不動産業者は不動産の専門家であり、税の専門家ではないため、正確なアドバイスを行うことができません。
よって、土地を購入するために援助を受けた場合に課税される贈与税に関して、不明な点がある場合は、税理士や税務署に問い合わせることが大切です。